活動への想い
私は第一子を妊娠中に亡くしました。毎朝目が覚める度に生まれてくるはずだった子がどこにもいない。悲しくつらい現実を突きつけられ、朝から晩まで泣いて過ごす日々。人生の中で最も大きな出来事に遭遇し、
悲しくつらい気持ちはもちろんのこと世の中に対する疑問や葛藤も抱えていました。
全妊娠の15%は流産になるといわれていて、死産の数は全国で1年間に1万5000件ほど。産声のない出産がこれだけの数存在していることに驚くとともに、今日もどこかで…と想像するだけで胸が痛くなります。
私たちが暮らす沼津市でも毎年およそ30組のカップルが死産(12週以降、22週以降)・新生児死、乳児死により赤ちゃんを亡くしています。赤ちゃんを亡くすという同じ経験をした仲間は今どこでどんな思いでいるのだろうか。今日もどこかで悲しい思いをしていないだろうか。日常生活でなかなか出会うことのない仲間へ度々思いを馳せています。
この度、ふるーるぴこりは沼津市内で初めて、赤ちゃんを亡くした方を対象とするピアサポートとして活動をスタートさせました。赤ちゃんを亡くした悲しみに寄り添っていける地域社会の形成を目指して活動に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2024年8月1日
認知されない
悲しみ
——————— 人前では気丈に振舞うことができるけれど心の底ではまだまだ悲しんでいる。
死産後、ママは産後休暇が8週間。パパは会社ごとによりますが数日お休みが出ることがあります。多くの死産経験者は定められた休暇が終わり次第、社会復帰をされますが、果たして復帰のタイミングで''心身ともに元気''になれるでしょうか?
家の外に出れば子供連れやベビーカーが目に入り、自分の亡くした子供と重ね合わせては胸が苦しくなります。大切に思っていた命を亡くしています。「元気そうだからもう大丈夫」そんなことはめったにないと思ってください。私たちは感情の波を行ったり来たりしながら悲しみとともに生き続けているのです。また、赤ちゃんを亡くす経験をする前と全く同じ価値観や考え方に戻ることは、どれだけ時間が経とうともあり得ません。パパやママにとってこれらの気持ちは、赤ちゃんが残していってくれた大事な形見のようなもの。これらを踏まえたうえで、否定せず寄り添ってもらえると私たちは安心して死別後の人生を歩んでいくことが出来るのです。
タブー視されたままでよいのか?
——————— みんなで支え合うことが理想だけど
亡くなった赤ちゃんの話や、死にまつわる話は触れてはいけない・不吉な話題だからと敬遠されがちです。当事者と非当事者双方がお互いの気持ちを理解したくても経験した人にしか分からない部分が多いことや、そのような風潮が強いが故に今もまだ難しいことのように感じます。
妊娠経験のある女性の6~7人に1人が流産を経験していると言われています。あなたの周りにも、人知れず辛い思いを抱えながら生活をしている人がいるかもしれません。思いがけない言葉で相手を傷つけているかもしれません。
経験者もそうでない人もお互いが気持ちに歩み寄って、すれ違いをなくしていきませんか?
ふるーる・・・フランス語で「花」を意味するfleurから
ぴこり・・・イタリア語で「小さな可愛いもの」を意味するpicolinaから
この2つの言葉をくっつけて「ふるーるぴこり」としました。略して「ふるぴこ」と呼んでいます。
赤ちゃんを亡くす経験をしてから、お花をお供えする習慣ができるママたちが多いと思います。(※)
お花を買いに出かける時 どの色にしようかな? 何のお花にしようかな?・・・
お空に帰った小さくてかわいいあの子を想いながらお花を選んだり、お供えしてからお世話をする時間は
確かに存在した命を感じられる瞬間でもあります。
ふるーるぴこりの活動を通じて、赤ちゃんのご両親とその周りのご家族が大切に想っている命の存在を感じてもらえる。そのような居場所となれれば幸いです。
(※供養の形はひとそれぞれです)